それから一週間が経った、五月の朝。 私が家を出ると、舞がドアの前で待っていた。 「詩音、おはよ」 「おはよう」 舞は爽やかに笑った。 「詩音、この前蒼と帰ったんだって? 歩実から聞いた」 「………えっ………」 もう広まってるの? 情報が流れるのって、はやいなぁ………。 「あっ、やっぱりそうなんだ! 順調だね」 「そっ………そんなことないよ」 「ま、頑張りなよ! 奈津が強敵だけど」 舞も、颯太くんと同じことを言う。 奈津ちゃんは美人だし、確かに強敵。