「もしもし? 優くん? あのね、詩音が………」


舞がお兄ちゃんに連絡しているのを聞いて、私はため息をつく。



喘息の発作は、最近よく起きるようになってしまった。



「詩音、大丈夫? 少しはよくなった?」



「うん、ありがとう、舞」



横になっていたからか、いつの間にか呼吸は楽になっていた。


「優くん、今来てくれるって。今日はもう帰って、しっかり休みなよ」



舞の言葉に私は頷くと、もう一度大きくため息をついた。



また入院になったらどうしよう。



せっかく新学期が始まるっていうのに、入院なんて絶対嫌だ。