「はぁ…………」 私は、溜め息をついてベッドに寝転がった。 奈津ちゃんは、きっと蒼くんのことが好きなんだ。 蒼くんにとっても、きっと大切な幼なじみ。 蒼くんも、奈津ちゃんのことが好きなのかな。 だって、この前二人ですごく楽しそうに喋っていたし…………。 その日は、一日中そのことが頭から離れなかった。 私が初めて恋に気づいたのは、桜の木が散りかけた高校二年生の四月。 私の初恋は、太陽みたいな笑顔の男の子だった。