「どうしても………手術、しないといけないのか?」 「え?」 「おれ………もしものことがあったらって、不安で……」 珍しく弱気な蒼くん。 「大丈夫だよ、蒼くん」 「詩音………」 きっと、蒼くんは怖いんだ。 自分のお母さんを、心臓病で亡くして。 そして、今私が蒼くんのお母さんと同じ病気で、命の危険を伴う手術に挑んでいる。 「絶対に、戻ってくるから。私、死んだりしないから」 ずっと、蒼くんのそばにいたいから。