「ごめん、詩音。優勝できなかった」 ………そっか。 優勝できなかったんだ。 「絶対優勝するって、言ったのにな。ごめん、詩音」 「ううん。蒼くんが頑張ったんだから、それでいいよ! しかも、準優勝でしょ? それだけでもすごいじゃん!」 私は、悲しそうな蒼くんを必死に慰めた。 「また次頑張れば………」 「詩音」 私が言葉を続けると、蒼くんにさえぎられた。