「伝えるなら、今しかないよ」 舞も歩実も、“辛かったね”とか、“大丈夫だよ”とか、慰めの言葉を掛けてくれたのに、沙良ちゃんはまっすぐな目でそう言った。 「いつ、伝えられなくなるかわかんないんだよ?」 「え?」 「今日、もし突然彼が交通事故遭って死んじゃったら、もう二度と伝えられないんだよ?」 沙良ちゃんは、縁起でもないことを言うけれどそれは事実だった。 もし、蒼くんがこの世からいなくなってしまったら。 一生仲直りできないままになってしまう。