階段の下で、舞は立ち止まりくるっと振り返った。 「舞………どうしたの?」 「詩音、今すごい泣きそうな顔してる」 「えっ………」 なんで、分かっちゃうの、舞は。 私の気持ちなんて、お見通しなんだね。 「詩音、泣きたい時は泣いていいよ」 でも、なによりも。 舞のその言葉に、安心できた。 私は、舞の腕の中で小さな子どもように泣いた。