そんな日々が続いた、11月のある日のこと。 「詩音。ちょっといい?」 昼休み、お弁当を食べ終わると蒼くんに呼び出された。 ────なんだろう。 蒼くんは、私の手を掴んで歩き始める。 そして、いつか奈津ちゃんが蒼くんに告白していた中庭に連れて来られた。 蒼くんがベンチに座ったから、私も隣にちょこんと座る。 蒼くんがいつもと違う真剣な表情をしていて、私はなぜか緊張した。