「詩音」 急に名前を呼ばれ、私は蒼くんの顔を見た。 蒼くんは、何かを思い出すような、切ない顔をしていた。 「詩音は………おれの前から、いなくなったりしねーよな………?」 いつもは太陽のような笑顔で私を励ましてくれる蒼くんが、今日はなんだか弱々しそうに見える。 「私は、ずっと蒼くんのとなりにいるよ」