「蒼………まだ生きてるよね? 死んで………ないんだよね?」
歩実は、不安そうにそう訊いてきた。
私は、一度だけこくりと頷く。
いつもあんなに姉弟喧嘩をしているのに、ちゃんと歩実は弟を大切にしてるんだなって、そう思った。
「大丈夫だって! 蒼が死ぬなんて、そんなわけないでしょ!」
「歩実………」
「詩音、そんな顔しないでよ。あいつ、不死身だから! 大丈夫だよ」
歩実が、ひとりで泣いている私を慰めてくれる。
私は、蒼くんに遊園地の観覧車でもらったハートのネックレスを握りしめて、蒼くんの無事を祈った。


