「あっ! 蒼にいちゃんだ!」 千尋は、リビングからパジャマ姿のまま出てきて、蒼くんに抱きついた。 「お、千尋! まだパジャマのままかよ」 蒼くん、千尋………。 私の目の前でいちゃつかないでよ………。 「千尋! 蒼くんは私の彼氏なんだからね!」 「千尋の方が蒼にいちゃんのこと好きだもん!」 千尋と争っていると、蒼くんが呆れたような顔をして間に入った。 「おい、ふたりとも。おれの取り合いをするんじゃない」