「普通、人のことでこんなに号泣する人いないよ」 沙良ちゃんは、ふふっと笑いながらそう言った。 沙良ちゃんは、視線を私から海に戻した。 私も、青い海を見つめる。 ザブン………ザブン………私の足に、海の水がかかる。 「沙良ね」 「………なに?」 「詩音がいなかったら、今頃死んでたよ」 突拍子もないことをさらりと言った沙良ちゃんに、驚いた。