「まだ………信じられないの………沙良ちゃんがいなくなることが………」 沙良ちゃんは、崩れ落ちる私の頭を優しく撫でてくれる。 沙良ちゃんは、お姉ちゃんみたいだ。 「詩音………」 沙良ちゃんの優しい笑顔が、私を少し安心させた。 「ありがとね………」 沙良ちゃんは、青い海を見つめながらそう呟いた。 その瞳は、ただまっすぐに海に向けられていて。 その横顔が、とても儚げに見えた。