どうして、神様はこんな若い命を奪うのだろう。



こんなに素敵な笑顔をもつ沙良ちゃんに、死を与えるの………?



「詩音………? どうしたの?」



浮かない顔をしていたのか、沙良ちゃんが心配そうな顔をして私の顔を覗き込む。



「ううん、なんでもないよ」



沙良ちゃんが、数か月後にはいなくなってしまう、という事実が、まだ信じられなくて。



「なんでもあるでしょ? どうしたの………?」


「なんでもないよ………」