それから、幸せそうなふたりと別れると、私と蒼くんは家に向かって歩き始めた。
「そういえば、おれらもあんな感じだったよな。詩音の誕生日の日に、詩音が告白してくれたんだっけ」
「そうだったね。なんか、懐かしい」
海辺で、思わず本当の気持ちを伝えてしまった。
でも、今思えば、あの告白がなければ今の私はいない。
今、こうして蒼くんのとなりにいれるのは、あの告白があったからこそだ。
「あ、見て。一番星」
夜空にひとつ、きれいな星があった。
蒼くんみたいな、星だ。
私は、繋いだ手にぎゅっと力を込めた。
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