ご飯を食べ終わり、今から帰る、というとき。
私は、舞に“颯太くんと二人っきりにさせてあげるからね”と耳打ちし、途中の交差点でその計画を実行した。
「じゃあね、舞、颯太くん。私と蒼くんの家、こっちだから」
本当は、私たちの家は舞と颯太くんが向かっている方向。
舞はリンゴみたいに顔を真っ赤にして頷いた。
「そうなのかー? じゃあな、蒼、山下」
颯太くんは、そう言うと舞と二人っきりで歩き始めた。
そのあとを、私と蒼くんは尾行する。
「おっ、いい感じだぜ」
ふたりは、仲良さげに喋っている。
頑張れ、舞!
私は、舞の背中を見つめながら応援し続けた。


