「蒼くん、頑張れーっ!」 私は、私に背を向け走っていく蒼くんに、必死に叫んだ。 蒼くんは、だんだん1位のC組のアンカーである奈津ちゃんに近づいていく。 幼なじみ同士の対決だ。 奈津ちゃんは噂通り足が速く、蒼くんもなかなか追いつけない。 それでも、差はだんだん縮まってきていた。 ゴールまであと数メートル、というところで蒼くんと奈津ちゃんは並んだ。 あと少しだ…………! パン! ピストルの音と同時に、先にゴールしたのは────── 蒼くんだった。