「だーれーが、生意気だって?」 そこにいたのは、怖い顔をした歩実だった。 顔は笑ってるのに、目が笑ってない。 「あっ、歩実! いたのかよ!」 「“いたのかよ!”じゃないわよ! 蒼!」 あーあ、また始まった。 蒼くんと歩実の、長い長い姉弟喧嘩。 「うるさいっ! お前ら、体育祭の日まで喧嘩してんのか!」 宮川先生、恒例の雷。 蒼くんと歩実は、おとなしくベンチに座った。