『じゃあね、蒼くん』 蒼くんの家と私の家との分かれ道。 蒼くんに手を振って帰ろうとした私を、蒼くんが引き留めた。 『詩音………おれんち、来ねぇ?』 何も予定はなかったし、断る理由がなかったから私は蒼くんのお家にお邪魔することになった。 蒼くんの家に入ると、歩実がいた。 『あっ、詩音! なんで来たの?』 『いや、あの………蒼くんが、来ない? って言ってくれたから………』