「ようし、終わった!」 体育祭前日。 蒼くんは、意外と一度も体育祭の仕事をサボらずにやりとげた。 歩実は、“詩音と一緒だったから頑張ったんだよ。偶然、偶然”なんて言っている。 偶然、なんてあるかいっ! ひとりで歩実の言葉に突っ込んでいると、蒼くんが私の髪をくしゃしゃっと撫でた。 「詩音、よくがんばりました」 ………なに、その上から目線な言い方。 しかも、頭撫でながら………ちっちゃな子供じゃないんだから。