「それで、どうなの、彼氏とは?」 体調の話に触れてほしくなかったのか、沙良ちゃんは話題を変えた。 「あ、蒼くん? あのね、体育祭の実行委員を一緒にやることになったの」 「ふふっ。ラブラブだね」 私たちは、日が暮れるまでずっと手を繋いで話していた。 沙良ちゃんの手は温かくて、いつかこの温もりが消えてしまったら………なんて考えるとぞっとした。 大丈夫だよね。 沙良ちゃんは、いなくなったりしないよね。 私は不安になって、沙良ちゃんの手と繋いだ左手にぎゅっと力を込めた。