山下 詩音(ヤマシタ シオン)、十六歳。


今日から、高校二年生。



「担任の先生、誰だろうね~」



「水谷先生はちょっと嫌だな…」



水谷先生とは、とっても怖いと生徒から恐れられている、生徒指導の先生だ。




体育館では、校長先生の熱く長い話が繰り広げられた。



でも、予想通り話は長くて退屈で、つまらない。



校長先生のせいではないと思うけど、だんだん息が苦しくなってきた。



私は昔から病弱で、喘息持ちだからこういうこともしばしばある。



ひどくなると、入院になることもあるくらいだ。



どうしよう。



どんどん息が上がってきて、私は思わず胸を押さえた。