「うん。びっくりするほど元気」 もうすぐ死ぬ人には見えないよね、沙良ちゃんはそう言って笑った。 こんな風に能天気なところは、宮川先生とそっくりだ。 「沙良ちゃん」 「なぁに?」 「また、一緒に図書館に行こうね」 怖かった。 沙良ちゃんがいつか、図書館に来なくなる日が来るかもしれない、と。 「うん! また読み聞かせしようね!」 沙良ちゃんは、そう言って笑ってくれた。 つられて私も笑顔になる。