他愛もない話をしながら二人で笑っていると、蒼くんが時計を見て言った。
「おれ、もうそろそろ帰らないと。詩音、また来るから」
「うん。またね、蒼くん」
蒼くんが急ぎ足で病室を出ていってしまうと、私はすることがなくなった。
沙良ちゃんはどこにいるんだろう。
不意に、沙良ちゃんのことが頭に浮かぶ。
沙良ちゃんの病室にいってみようかな。
私は病室を出ると、お兄ちゃんに沙良ちゃんの病室を聞きにいった。
「うーんと………304号室だ」
「ありがとう」
304号室は、3階だ。
私はエレベーターに乗って3階に向かった。


