「……8月3日………」
その瞬間、蒼くんは目を見開いた。
「えっ…………本当?」
だって、8月3日といえば蒼くんのバスケ大会初戦の日。
「その日は外出許可もらって応援に行こうと思ってたのに………蒼くん、ごめんね………」
「そ、そんなことは全然いいんだけどさ………おれ、詩音の手術の日はずっと病院にいようと思ってたんだけど………」
「えっ…………」
蒼くんがずっと病院にいようと思っていてくれたことが、すごく嬉しい。
「おれ、試合頑張るから………詩音も頑張れよ」
その言葉に私が小さく頷くと、蒼くんが私を抱きしめた。
蒼くんの腕の中は温かくて、なぜか安心できた。


