『沙良ね、小学校6年生のときに脳の病気だってわかったの。それでこの病院に入院したんだけど…………』
小学校6年生って言うと、今から5年前だ。
沙良ちゃんは、前から、ずっと入院していたんだ。
『たくさんの治療して、本当に辛かった。なのに、本来なら効くはずの治療が、沙良の体質だと全然効果がなくて………結局治療の意味はなかったんだ』
病気を治すために辛い治療に耐えて頑張ったのに、その効果がない、なんて…………。
沙良ちゃんがすごく可哀想になってきた。
『それでね、今年の6月の下旬頃だったかな………突然言われたの』
その次に沙良ちゃんの口から出た言葉は、信じられないものだった。


