子供たちが病室に帰ってしまうと、沙良と私はそこらじゅうに散乱した絵本を棚に戻した。 「うん、すごく楽しかった。沙良ちゃん、ありがとう」 私がそう言うと、沙良ちゃんはどういたしまして、と笑った。 沙良ちゃんは確かに笑っているのに、その瞳が悲しげに揺れているように見えるのは私の気のせいなのかな。 「…………沙良ちゃん?」 沙良ちゃんの大きな目から、涙が溢れているのを見たとき、私はどうすればいいのか分からなくなった。