優菜ちゃんは、ベビーカーにのってすやすやと眠っている。



親指を口に含んで気持ち良さそうに眠る姿は、天使みたいだった。



「……あ………あぁい………」



小さくそう呟きながら、優菜ちゃんは目を覚ました。



ぱちんと開かれた、大きな目。



「か…………可愛い…………」



私がそっと人差し指を優菜ちゃんのてのひらに近づけると、優菜ちゃんは私の人差し指をぎゅっと握った。



優菜ちゃんのてのひらは、すごく小さくて。



今にも壊れてしまいそうだった。