「蒼のことを、よろしくね。あの子、本当に詩音ちゃんのことが好きみたいだから」 蒼くんのお母さんは、ふふっと笑って私の肩にぽん、と手をおいた。 温かくて、優しい手だった。 「早く行きなさい。蒼たちが待っているわよ」 ここがどこなのか、どうして自分がここにいるのかも分からなかった。 ふわりと浮いていた自分の体が、だんだん重くなってくる。 ──────気づいた時に、真っ先に見えたのは蒼くんの心配そうな顔だった。 「詩音!」 「……………ん…………」