その後の蒼くんは、腑に落ちない様子だったけど、わざと気付かないふりをした。


「詩音………」


帰り際、蒼くんが急に私の名前を呟いた。


「なぁに?」


少しの間沈黙が続いて、蒼くんが口を開いた。


「おれってさ、そんな頼りないかな」


「え?」


「詩音が相談できないくらい、頼りないのか、おれ」


蒼くんが、珍しく寂しそうな顔で言った。



いつも太陽みたいに笑っている蒼くんにこんな顔をしているのは、私のせいだ。



「そんなことないよ」




蒼くんが頼りないわけじゃない。



蒼くんは、頼りある私の自慢の彼氏だよ。