「本当に、何もないってば!蒼くんったら、急にどうしたの?」 今、病気のことなんか言えない。 そこに、タイミングがいいのか悪いのか、店員さんがパスタとハンバーグを運んできた。 「ほら、蒼くん。ご飯きたよ、食べよう」 そう言って、その場の重い空気を取り払った。 こうやって、私はずっと病気のことを隠し続けるのかな。 いつかは、蒼くんにばれちゃうのかな。 蒼くんに、舞に、歩実に。 心配をかけたくない。