しばらく二人で映画の時刻表とにらめっこしていると、蒼くんが急に大きな声で言った。


「詩音、これは? 『子犬物語』!」


え?


子犬物語…………。


「蒼くんって、こういうの好きなの?」


「なんかさ、感動しそうだし」


「いいよ。じゃあ、それにしよう!」


蒼くん、感動して泣いたりするかな。


なんか、見てみたいかも。