「映画、なに観る?」 「………何でも、いいよ………」 緊張して、声がおかしくなった。 繋がれた左手に、蒼くんの温もりを感じる。 「詩音、なに緊張してんだよ。顔が真っ赤だぞ」 蒼くんは笑いながら私の頭をくしゃくしゃと撫でた。 蒼くんには、私の考えてることがなんでも分かるんだなぁ………。 「蒼くんって、すごいね」 「はっ? 急になんだよ」 「私の考えてることを、なんでも当てちゃうから」