次の日。


ピピピッピピピッ…………


耳元で、目覚まし時計の鳴る音がする。


部屋にある時計が指すのは、9時50分。


ん?


集合時間、10時じゃなかった?


目覚まし時計、8時に合わせておいたのに!


「千尋!」


犯人は、千尋だ。


千尋はよく、こんな風に私にいたずらを仕掛けてくる。


「わぁー、ごめんなさいー」


でも、素直に謝られるとこっちも何も言えない。


「ヤバイ、遅刻するー!」


千尋のおかげで、大遅刻。


私は急いで着替えて、朝ごはんも食べずに家を出る。


ガチャ、とドアを開けると、思いがけないことが起こった。