「相変わらず広野君に気に入られてるね〜」


「愛佳先輩…笑い事じゃないですよ…」

「どう見ても恋人同士のやり取りにしかみえないんだもん。ほんと付き合ってないって聞いてビックリしたわ〜」

「広野先輩はあたしのことからかって楽しんでるんですよ…」

「さぁ〜どうだかねぇ〜」

ニヤニヤしながら答える愛佳先輩。



どうだかねぇって…

私と先輩はそんな甘い関係じゃないに…



1つ先輩の広野先輩。
背が高くて、整った顔。切れ目で意地悪な微笑みにドキっとさせられるような、色気を持っている。
仕事も頭の回転が良くて容量もいいし、指示も的確で信頼が出来るし先輩の仕事ぶりは上司にも高評価評価だ。


そんな広野先輩…

私にはいつもこんな感じ…


『他の男に近付くな』
『俺のそばから離れるな…』


彼氏でもないのに、そんな言葉をあたしに囁く。


恋愛経験がないあたしのこと、からかって楽しんでるとしか思えない…