~昇降口~
「あーあ、聖羅 未由(せいら みゆ)先輩と会えるといいなー♪」
と、どこからとも無くこう言う声がする。
「えっと、私のクラスは…。一年三組か。知ってる人は居ないか。」
なぜなら、私は無理やり受験して受かっちゃったから。
知っている人は、誰も居ない。
「柚亜。お前どこのクラスだ?」
周りがざわざわしている中から隣の人が言った。
柚亜と呼ばれた人は、
「三組だろ俺たち。深亜、分かりきっている事を言うな!」
すると
ドン
「あいたた…。」
誰かが私にぶつかってきたのだ。
「柚亜。あ・や・ま・れ!」
「いいんです。私が背が低いせいで見えなかっただけですから。」
そうなのです。私の身長は、142センチで小柄なのだ。
おまけに恥ずかしがりやだからついまたこう言ってしまった。
「それでは、これで失礼しました。」
走って逃げてしまった。
迷うことなく教室へたどり着いたが、まだ、胸がドキドキしている。