夢の続き

「お前はどうしたいの?」


組んだ手をテーブルに乗せて、真っ直ぐな瞳で僕を見てシゲさんが口を開く。


「俺はお前たちのやっている勉強をしていないから、専門的なことは何一つ分からない。

だから、偉そうなことは言えないけど、お前がその子に対してどうしたいかをちゃんと伝えたほうがいいと思う」


的外れなことを言われているわけではない。

彼なりに真剣に考えてくれた言葉だろうし、それは何れ必要になってくることだろう。


「堂岡の言うことは大切だと思う。

あんたも大切だということは分かっているだろうけど、難しいということも分かっているわよね」


それはもちろん理解していた。



それを分かるようにして、喜びなどに変えて前を向ける人もいれば、逆に抱え込んでしまう人もいる。



こういった場合に大事なのは自分ではなく、あくまで相手本意に考えるというところだ。


「シゲさんの大切なことも、先輩のそれが難しいということも、自分のなかでは十分に分かっているつもりです。

もちろん、そのことだけが難しいとも思っていません」


だから、二人に打ち明けたのだ。