夢の続き

しかし、そんなことを言っていられない事態が、その日の夜に起こった。



仕事から帰り、夕食を適当に済ませ、シャワーを浴びる。

それが終わると僕はテーブルに通信教育の参考書と図書館から借りてきた専門書を広げ、付属のDVDをプレイヤーに入れた。



これが勝負というのならば、僕はお手上げ状態でも降りるわけにはいかなかった。

勉強の方法が最初に戻っただけであって、今までと同じようにやっていけば難しいこともきっと理解できる。

気を取り直して、前向きに物事を考えた。



しかし・・・


「ああもう、参考書に書いてあることをこの人そのまま言っているだけじゃん」


愚痴は絶えなかった。



DVDを停止と早戻し、さらには再生を繰り返し、何度目かの愚痴をこぼしたとき、僕の携帯電話は鳴り響いた。



いちかからの連絡がまだ来ていなかったので恐らくはそうだろうと思ったが、時間は夜の十一時を過ぎていたので胸騒ぎがした。


「もしもし」


「・・・」


「もしもし・・・」


静かだった。