夢の続き

それから一週間後くらいに通信教育の教材が届き、僕の勉強が始まった。



心理学を大学の教養科目で履修をしていたことはあったが、実際に本格的に勉強するのはこれが初めてということもあり、最初は想像以上に手こずった。

分からない専門用語を調べるために図書館に本を借りに行ったはいいものの、その説明には更に分からない専門用語が記載されているということも一度や二度ではなかった。

有里香さんに電話やメールで質問をすればいいのだが、仕事が終わった時間帯や休日に勉強しているため、どうしても遠慮してしまう。

仕事中は勉強の話はしないという約束もあり、身近に頼れる存在がいるというのに活かしきれないでいた。



その間もいちかとは毎日連絡を取り合っていた。

余計な負担を背負わせたくないという気持ちから彼女には勉強を始めたということは言わず、僕たちのやり取りは何事も無いように変わらなかった。

変わったといえば、勉強を始めてからは僕の気持ちに少しだけ余裕が出てきたような気がした。

それだけでも勉強を始めた甲斐があり、更には僕の勉強へのモチベーションを上げていく。

最初は苦労していた勉強も少しずつ慣れ、二重で専門用語を調べる回数は格段に減り、効率も上がっていった。