「僕は・・・
目の前に辛い思いをしている人がいて、その人の辛さが目の前に突きつけられて、それなのに何もできない自分が本当に嫌で・・・
そんなふうに過ぎていく毎日から逃げたくて、自分で逃げ道を作ったんです」
これが僕の回答だった。
周りから見れば仕事をしながら勉強をするということは立派なことに見えるかもしれないが、僕にとっては逃げ道でしかないのだ。
「いいんじゃない」
有里香さんの掌の温もりが、テーブルの上で組んでいた僕の両手に伝わってきた。
それと同時に、光が差したように視界が広がっていった。
「勉強する理由なんて人それぞれじゃん。
それに逃げ道はね、間違った道なんかじゃないんだよ。
あんたが言うその逃げ道を一生懸命やれば、いつかはそれが立派な道になる。
そのときまで頑張れ」
掌に力が入り、テーブルの上に軽く両手を打ちつけられて彼女の温もりは離れた。
シゲさんは目を閉じて胸の前で腕を組んで、何度も頷いていた。
目の前に辛い思いをしている人がいて、その人の辛さが目の前に突きつけられて、それなのに何もできない自分が本当に嫌で・・・
そんなふうに過ぎていく毎日から逃げたくて、自分で逃げ道を作ったんです」
これが僕の回答だった。
周りから見れば仕事をしながら勉強をするということは立派なことに見えるかもしれないが、僕にとっては逃げ道でしかないのだ。
「いいんじゃない」
有里香さんの掌の温もりが、テーブルの上で組んでいた僕の両手に伝わってきた。
それと同時に、光が差したように視界が広がっていった。
「勉強する理由なんて人それぞれじゃん。
それに逃げ道はね、間違った道なんかじゃないんだよ。
あんたが言うその逃げ道を一生懸命やれば、いつかはそれが立派な道になる。
そのときまで頑張れ」
掌に力が入り、テーブルの上に軽く両手を打ちつけられて彼女の温もりは離れた。
シゲさんは目を閉じて胸の前で腕を組んで、何度も頷いていた。



