夢の続き

お盆の真っ只中ということもあってか、いつもより家族連れが多い気がする店内にスーツ姿の三人がジョッキで乾杯をする。


「まっ、仕事がたんまり残っていた俺はおかげで一時間は早く帰ることができたけど」


有里香さんは笑って舌打ちをしながら、シゲさんの胸を肘で軽く小突いた。

その光景に僕も笑顔になり、一口もつけていない自分のグラスを眺める。

二人は今日の残業について話し、分が悪いシゲさんは笑いながらも常に有里香さんには頭が上がらないというような態度を取っていた。


「実は勉強をしようと思って」


二人は揃って仕事のことの勉強かどうか聞いてきたが、僕は首を横に振ってそれを否定した。

顔を見合わせた二人は、もう一度揃えてこちらを見てきた。

たくさんのお客で騒がしいはずの店内が、このときだけ静かになったような気がした。


「何?あんた、転職するの?」


ちょうど僕の向かいに座っていた有里香さんが、真剣な表情をしてこちらに身を乗り出してきた。

真剣というよりは、少し怒りが交じっているようにも見える。