夢の続き

「人生もこんなに楽だったらいいのに」


二十八歳。



まだまだ若い年齢の部類だというのに、こんな言葉を独り言で出てきてしまう自分が何とも寂しかった。



結局、秒針は偶数を指していたため、僕はこのまま真っ直ぐ歩いていくことにした。



道路の交通量もあまり無ければ、歩道を歩いている人も無い。

夜中だから当たり前なのだが、今日はそれが妙に有り難かった。



混乱した頭を整理しようとは思わない。

整理してしまえば、僕はきっとまた同じ立ち位置に戻ってしまうだろう。



物事を整理し過ぎて、どっちつかずの立ち位置に就く。



それが僕の悪い癖だと一度だけ有里香さんに怒られたことがあるが、その意味と怒ってくれた有里香さんの優しさが今になって痛いほど身に染みる。

「もっと、悪足掻きしてもいいんだぞ」と慰めてくれたシゲさんの言葉の意味も、今になってようやく理解しようとしている。



でも、果たしてそれを行動に移すことが、今の僕にできるだろううか。