夢の続き

自分でもそう思う。

実際にあのことからは完全に吹っ切れていないのかもしれない。

だから、引っ越しの相談という名目で有里香さんと会うことを選んだのかもしれない。

そうすれば少しは楽になるのではないかと、あのときと同じように逃げ道を今度は友里香さんに作って貰おうとしたのかもしれない。


「それでいいんだよ」


気付いたら、彼の部屋があるマンションの入口まで来ていた。



ここから一人で部屋まで戻ろうとふらふらになりながら立っている彼の呟きは、まるで僕の心の中を見透かしたように「もっと周りに頼ればいい」と仕事中と同じことを言われた気がした。


「逃げるなよ」


僕の耳元でそっと一言残し、彼はマンションへと入っていった。