夢の続き

そのことに僕は敢えて触れず、自分の選んだ本の表紙を彼女に見せた。

恥ずかしがっていた彼女も、読んでいる本と机に置いてある本の二冊の表紙を嬉しそうにこちらに見せてくる。

どうやら詩集のようだが、その詩人の名前は聞いたことがなかった。

それでも彼女は詩の世界へと戻り、嬉しそうな表情を浮かべ続けた。



図書館は変わらずに静かだ。



静かで会話は無いのだが、僕たちは確かに言葉を交わしている。



これが僕たちにとっての最高の時間であり、至福の時間だった。