夢の続き

自分が傷ついても、他人のことを考えられる優しい女の子。



それなのに彼女はこんなにも追い詰められてしまっている。



いや



それだから彼女はこんなにも追い詰められてしまう。



どんなことがあろうとも僕は彼女の味方であり、決して離れてはいけないと、夢中で本を読んでいる愛おしき姿に誓う。

そして、それが彼女にとって負担にならないよう、口にすることなく、自然に優しく接しなければいけない。



難しい。



一年前の僕が他人事のように眺めていたら、間違いなくその一言で終わるだろう。



だけど、彼女が目の前にいる今はそうではいけない。



やれるか?やれないか?では、ない。

やらなければいけないのだ。



そんなことを考えながら立っていると、僕に気付いたようで、声には出さないが「何しているの?」と口元が動いた。

僕ははにかみながら席に着くと、極端に恥ずかしがっている彼女の姿を見て、声に出さなくても敬語を使わずに話したことに気付いたと察した。