夢の続き

それから三日後。

僕の休日と夕凪の休日が合わないことを電話で聞き出し、いちかと会う約束をした。



約束をしたものの当日にならないと会えるかどうか分からなかったが、その日は状態が特に良かったようで、改札を抜けると満面の笑顔で迎えてくれた。

その笑顔に僕は安堵感と癒しの両方を感じ、この頃から僕にとっても彼女は必要な存在になっていたのだろうと思う。


「歩きましょう」


バス停に向かおうとした僕の腕を掴み、迎えてくれた笑顔そのままに引っ張られた。

彼女からの要望を聞いてから調べ、駅からは少しばかり距離があったのでバスを使おうと思ったのだが・・・



状態が悪いときは人混みが嫌であったり、部屋から一歩も出られないときもある。

そんなときは歩くことすら億劫に感じるというが、それを思えば今日は本当に状態がいいのだろう。

僕は彼女に導かれるようにして歩き出した。



様々なショップや娯楽施設が入る商業施設の横を通る階段を抜け、広場へと出る。

そこかから小高い丘へと続く階段を上り切ると、小学校の校庭では体育の授業で走り回っている児童たちの笑顔や、笑い声が僕たちの足を止めた。

僕はいちかを見て、彼女は児童たちをどこか羨ましそうに眺めていた。