安いサンドイッチを、食べながら、私は、
「いきなり、なんなのよ!今の日本、物騒すぎ!」
安い紅茶を、飲んでいる松柳流男が、
「変な柔術家だったな。僕らが、空手の話し、していたからかな。」
また、始まる。恋より、空手話し。道で歩いても、空手話。喫茶店でも、空手話。
「十字受けからの、踵を、腹に入れる心持ちは、訓練度低くくても、できる。円型逆突きは、ある程度、やらないとね。」
紅茶を、飲んで、目が虚ろに、なりながら、さらに、
「十字受けでも、円型逆突きでも、胴体入れた呼吸法、呼吸力。先に、動いた方が、負けるのは、彼、己、同じ。動きに、合わせられてしまう。合気道の呼吸法で、僕は、三人ががりで、おさえられても、腕をあげられるけれど、十字受けで、おさえられても、弾き飛ばせる。」
受け皿の紅茶のティーパックを、スプーンで、ぶちゅぶちゅ、やりながら。
私は、安いサンドイッチが、口の中で、窮乏のからみで、残るのを、抹茶ラテで、喉に、流しながら、
「ワールドポーターズ、行こ!」
と、切りだしたら、
「ジェットコースターは、心身修練、呼吸法だよね。」
楽しそうな、顔で、松柳流男は、笑った。
Fin
※ワールドポーターズ:神奈川県横浜市のみなとみらいの遊園地