「空手なんて、最弱なんだよ!」
いきなり、体格のいい男が、突っかかる。
「君に、くる。円型逆突きは、知ってるな。」
松柳流男は、そういって、蕎麦屋の看板を、潤いの目で、見る。
体格のいい男が、姿勢を、前傾に、した瞬間、
「腰を落とす、足を低く、 肩に手を掛ける、顔面突く、頭を両手で掴んで、膝。」
いわれた通り、身体が、動く。
男は、
「ぐふっ」
軽くうめき、鈍い身体を、地につけた。
「さすが、膝一発!」
そういった松柳流男は、蕎麦屋を、諦めていた。
また、チェーン喫茶店。