私は明都さんに支えられて、 車に乗った。 「……真奈美は」 明都さんが話し始めた。 ゆっくり。いつものように。 「ちょうど去年の今頃まで 付き合ってた。二年くらい。 大学の同級生。ゼミが一緒で。」 私は黙って頷くだけで精一杯だった。