「いませんよ、 今日お仕事しているくらいですし、」 ちらり、と一瞬だけ 笹井さんがこっちを見た。 「もったいないね」 その言葉にもびっくりして、 また笹井さんを見るけれど、 相変わらず真顔で 泡立て器を動かし続けている。